日本補綴歯科学会から出ているガイドライン

アクアデンタルクリニック院長の高田です。
今日は 日本補綴歯科学会から発表されているガイドライン

『一般的な開業歯科医における顎関節症初期治療としてのスタ
ビライゼーションスプリント』のデザインならびに作製方法に
関するテクニカルアプレイザル
を勉強しています。

大切な内容をまとめながら、ブログに残していきたいと思います。

興味深い質問内容をまとめてブログに残そうと思います。

質問
スタビライゼーションスプリントとしては,上顎型および下顎型のどちらを用いればいいの?

解説
スタビライゼーションスプリントの装着様式としては,
上顎歯列に装着する上顎型と下顎歯列に装着する下顎型の2つのタイプがある.

しかし,その使い分けの指標については
これまでに統一した見解が得られていない.

したがって,スタビライゼーションスプリントを顎
関節症の初期治療に用いる際に,どちらのタイプを用いるべきか,
それとも両方のタイプを用いて良いのかについて検証が求められる.

顎関節症の初期治療に用いるスタビライゼーションスプリントとしては,
策定委員会委員が所属する 13 施設中 10 施設が主に上顎型,
2施設が主に下顎型,1施設が両者を使っていた.

文献にみられるエビデンスの多くは上顎型を用いたものが多い。

なので 上顎型を使う方が正しいのではないだろうか。

質問
スタビライゼージョンスプリント作製時の咬合採得の方法(記録する下顎位および咬
合挙上の方法)は?

解説
スタビライゼーションスプリントの咬合採得は,習慣性咬合位において行い,

咬合器装着後に咬合器上で指導釘を用いて必要量の咬合挙上を行ってよい

その際には,フェイスボウトランスファーを行った咬合器上で行うことが望ましい

スプリントの咬合採得には,下顎位を誘導して中心位等を用いるべきである

質問
スタビライゼーションスプリントの咬合面と対合歯と接触関係は?

解説
閉口時におけるスタビライゼーションスプリントの咬合面と対合歯との咬合接触について
は,尐なくとも両側の小臼歯ならびに大臼歯が均等に接触していることが望ましい。

前歯部の咬合接触に関しては,
臼歯部と同様に同時かつ均等な咬合接触の付与,軽い咬合接触の付与,
および咬合接触を付与しないなど,明確な指標はない.

そのため,前歯部の咬合接触に関していくつかの設問を作成し,
Delphi 法変法による合意形成を試みたが,下顎型スプリントについては合意が得られず,

「上顎型スプリントには,下顎前歯が軽く接触していることが望ましい」という形成が得られた。

質問
スタビライゼーションスプリントの咬合接触面の形態は?

解説
スタビライゼーションスプリントの咬合接触面は,咬合平面に平行でありかつフラットな
平面であることが望ましいが,ゆるやかな彎曲の陥凹があっても良い .ただし,対合歯咬
合面の深い印記が残った状態は不適切である 。

スタビライゼーションスプリントの咬合接触面については,医原性の咬合干渉を起こさな
いために,対合歯咬合面の深い印記がないフラットな平面であることが望ましいが,わずか
な陥凹が残る状態であっても,日常臨床において良好な結果を得ている。

質問
スタビライゼーションスプリントに付与する側方ガイドは?

解説
スタビライゼーションスプリントの下顎側方滑走運動時の側方ガイドに関しては,犬歯誘
導あるいはグループファンクションを付与することが望ましい 。

下顎側方滑走運動時の側方ガイドに関しては,犬歯誘導,グループファンクション,
バランスドオクルージョンなどが考えられるが,それらの使い分けの指標や優位性等については
統一した見解が得られていない

インプラントの画像診断ガイドライン

アクアデンタルクリニック院長の高田です。
今日はNPO 法人日本歯科放射線学会から発表されている

「インプラントの画像診断ガイドライン」を勉強しました。

大切な内容をまとめながら、ブログに残していきたいと思います。

CT撮影時のステントの使用について
Q: インプラントの CT診断における望ましいステントはなにか?

要約:CT撮影時のステントは治療計画に有用であり、
使用は勧められる。
ただし、望ましい CT撮影用のステントについて明確な根拠に基づいたものはない。

A 最終的な上部構造の予測のために調整したステントの指示部分や歯の部分

1) MMAレジンのポリマーと硫酸バリウムを混ぜたモノマーを使用
2) MMAコートバリウムを 3~7%含有させたレジンを使用
3) 接着性レジンにあらかじめ造影剤を混入した製品を使用
4) レジン製ステントの内面にX 線不透過性が低いシリコーン製剤を使用

B. 人工歯根の植立位置と方向を示すための素材
1) ステンレス管を使用
2) ガッタパーチャを使用
3) X 線不透過性の疑似歯にホールをあけて使用
4) チューブスプルーを使用
5) シリコーン系バイト材を使用

インプラント周囲炎に対する画像診断について
Q: インプラント周囲炎の画像診断として推奨される方法はなにか?
1) 要約:インプラント周囲炎には、口内法 X 線による評価が推奨されている。
2) ただし、 その他の画像診断法に関して明確な根拠はない。

岡山県 岡山市北区 今保 久米 中山道 延友 白石 花尻 北長瀬 西バイパス近く

インプラントの画像診断ガイドライン

アクアデンタルクリニック院長の高田です。

今日はNPO 法人日本歯科放射線学会から発表されている
「インプラントの画像診断ガイドライン」を勉強しました。

ガイドラインに書かれている大切な内容をまとめながら、ブログに残していきたいと思います。

☆インプラントの診療における画像検査時期と推奨される撮影法☆
・初診時:
パノラマ X 線撮影  口内法 X 線撮影

・術前画像検査:
ステントを用いた口内法 X 線撮影 パノラマ X 線撮影  断層撮影
CT(MDCT・SDCT) CBCT (MRI)

・1次手術終了時から2次手術直前:
原則として撮影は行わない

・2次手術終了時: 口内法 X 線撮影(平行法)
・経過観察時: 口内法 X 線撮影(平行法)
・緊急時・事故時: 必要に応じた適切な撮影法を選択

インプラント埋入術前に必要なレントゲン

・ 術前に必要とされる情報のうち,単純 X 線撮影で評価可能なのは,
残存歯槽骨高さ,骨 形態,病変の存在,
解剖構造の位置(上顎洞、下顎管、オトガイ孔,切歯管等)などで ある。

・ パノラマ X 線撮影では,固有の拡大率により周囲解剖構造の位置把握の精度は
低くなるが、参照体を用いることにより CTとの差は少なくなるがCT画像での
診断は必ず必要である。

・ 断層撮影は、欧米のガイドラインで顎骨の横断像を得る方法として推奨されている
従来型断層撮影装置とパノラマ X 線撮影装置に断層機能を付加した装置によるものと大別できる。

適切な断層面の設定が重要であり、多数のインプラントの埋入が計画されている場合には、
個々の計画部位に断層面を合わせる必要があるために、検査時間を要する。

しかしながら、少数歯欠損の検査の場合には被曝線量は少ない。

この画像の寸法精度は高く、
また細かい骨梁構造を観察できることが報告されている。

・ デジタル撮影法は通常のフィルム法より、精度及び正確度が高い。

・ 高度顎堤吸収を伴う患者の下顎前歯部インプラントの辺縁歯槽骨吸収評価では、
口内法 X 線撮影とパノラマ X 線撮影との差は少ない。

一門一答
Qインプラント診断における CT 検査の測定精度は十分か? また適切な撮影条件はなにか?

要約:インプラント術前診断における MDCT(SDCT を含む)や
CBCT を使用した距 離計測は、臨床的に十分な測定精度を有している。

ただし、適切な撮影条件について明確な根拠に基づいたものはなく、
専門家の意見にとどまる。なお、撮影時にガントリーは傾けるべきではない。

・ インプラント診断のための最適な撮影条件を規定しうる因子は多岐にわたり、ガイドラ
インとして特定の条件をベストとして提案することは難しい。このため、使用機種の特
性を熟知し、最小限の被曝線量で診断に必要十分な画質を得られる条件を設定できるような、
歯科放射線分野の専門家が必要である

CTによる骨質評価について

Q: 骨質・骨密度は CT検査でわかるのか? またそれらは予後と関連あるのか?

A
インプラントの予後を推定するために骨質を評価するにあたり、CT値を
その指標とすることには明確な根拠はない。

EU のガイドラインには、「診療医は次の項目についての情報を必要とする」として
次の 記述がある。

①骨の質と骨の量、
②残存骨の頬舌幅と高さ、
③骨外形の傾き、
④骨のアンダーカットの存在、
⑤非典型的な解剖構造(たとえば大きな骨髄腔)、
⑥病変の存在、
⑦特定の解剖構造の正確な位置(たとえば上顎洞、下顎管、オトガイ孔)。

この中で、ボリュームデータによる MPR 画像などで三次元的な画像表示を行えば、① の骨の質(骨質)以外の評価は容易である。

岡山県 岡山市北区 今保 久米 中山道 延友 白石 花尻 北長瀬 西バイパス近く

ソケットリフト

ソケットリフトは、サイナスリフトに比べて患者への外的侵が少ない。
一般的に治癒期間も短いため残存骨高径が6mmあれば長径8。25mm
のインプラントを用いたソケットリフトを第一選択にできる。

ただし、ソケットリコトは盲目的な処置であるために、術前・術中にCT撮影を行い
上第洞粘膜の穿孔の有無や上顎洞粘膜の挙上量を確認しながら
注意深く手術を進める。

もしも上顎洞粘膜を穿孔させてしまった場合、側方から開満(けイナス
リフして身孔の新をすること)も可であるが.第者らは当日の手術を中止し
2カ月後に再手術を行うことが可能である。

再手術を行うことができる。再手術した部位が完全に骨性治癒したいため
骨補填材の注入よいばあいも多く、再度上顎粘膜を穿孔するリスクは非常に
低いと考えられている。

またサイナスリフトにおける側方の開道予定部位に太い後上歯槽動脈が走行
している場合血管損傷のリスクを避けるためにソケットリフトを用いた
埋入を選択する場合もある。

ソケットリフトでの洞底粘膜の挙上限界
検体にソケットリフトで実際に骨補填材を注入し洞底粘膜をを何ミリ
挙上したら上顎洞粘膜が穿孔するかを評価
した報告がある。

臨床的にも失敗だと考えられるような大きな穿孔は6mm以上挙上した場合に
生じる。症例にもよるが、ソケットリフトは3~4mmまでの上顎洞粘膜の
挙上症例に友好的であることが分かった。

根尖部バイオフィルムに対して根管洗浄剤を曝したときの In vitroにおける効果

アクアデンタルクリニック院長の高田です。

「the effect of exposure to irrigant solutions on apical dentin biofilms in vitro」

根尖部バイオフィルムに対して根管洗浄剤を曝したときの
In vitroにおける効果

 英語論文を読みました。

学んだ内容
本研究は異なる濃度の次亜塩素酸ナトリウム、2%クロルへキシジン、BioPure
MTA(デンツブライ社)の洗浄効果を評価した。

根管内容物を、慢性根尖性歯周炎と診断された患者10名から採取した。
採取したサンプルを、複数西よりなるバイオフィルムを生しさせるために
根尖の片側切断面上で培養した。

それぞれのバイオフィルムは、別々に、6%、3%および1%の次亜塩素ナトリウム、
2%のクロルへキシジン、1%の次亜塩酸ナトリウムとbiopure MTADの併用、
および滅菌リン酸緩衝液(PBS)に浸漬した。

6%および3%の次鹽塩粢靉ナトリウムがバイオフィルムを崩して除去できること、
1%の次亜塩素酸ナトリウムとbiopureMTADの併用は、
バイオフィルムを破壊できるが第画を排除できないこと、
そして2%のクロルへキシシンはバイオフィルムを崩第できないことが、
走査型当子徴鑛分析から示された

生菌は、6%の次亜塩素酸ナトリウム、2%のクロルへキシシン、
および1%の次亜塩素酸ナトリウムとBioPureMTADの併用した

根管洗浄液群に浸した試料からは、培養されなかった。

これらの結果は、6%の次亜塩素酸ナトリウムが細新を不活性化し、バイオフィルムを物理的に除去できる准ーの洗浄剤であることを示している。

論文それぞれの、次亜塩素酸ナトリウムの有効な濃度がバラバラだね!