インプラント周囲炎を定義付ける項目

インプラント周囲炎を定義付ける3つの項目

その2:プロービングデブス
プローピングデブスに話を移しますが、先ほどの症
例ーではプローピングデブスを減らすことはできるのでしょ
この症例でプロ一ビングデブスを変えることは、非
常に難しいと思います。補綴の状況から深いポケットができ
るべくしてできています。
PhilipMarshのプラーク環境説幻によると、環境がそこに
定着する細菌を決定づけることになります。今回の場合、嫌
気的環境が確立されているため、当然嫌気性歯か定着しやす
い状況があります。
また人工物であるインプラント補綴周囲換縁下部を磨く
術があるのかという問題があります。天然歯の歯肉縁下部は、
セメント質、歯肉溝があって、歯肉溝浸出液も円滑に流れて
います。そのため、自浄作用が働きます。
上部構造は単なる人工物であって、この匠近心部の補綴
装置粘膜縁下部では、粘膜と補綴装置が接触しているたけで
す。そして環境が悪く、プラークが強固に付着すると、自浄
作用というものはほとんど働かないと思います。
天然歯であれば、歯肉縁上のプラークコントロールをしっ
かりと行っていれば問題ありません。しかしインプラントの
場合、ケースによっては粘膜縁下部のセルフケアも必要では
ないかと、最近私は思っています。またあまり
提唱されていない考えで、エピデンスにもしつかりなってい
ないのですけれども・・
粘糢縁下部に対するフロスなどの
清掃器具によるロ腔清掃を、補綴装置を作るときから考えて
おかなければいけないのではないかと思います。
プローピンク・デブスの増減が重要であるとserinoが
話していますが:い、では最初にどのタイミングで、どのよう
にスコアリンクするのでしようか?1年後に測るのか。ま
た、一年後だとしたら、プロープをどこから入れるのかに
よってもまったく変わると思います。そのべースラインを決
める手技があるですか?
それは難しい質問ですね。4点法でも6点法でもい
いと思いますが、スコアリングをする場所を決めておくこと
が大事だと思います。私は基本的に4点法なのですが、特に
観察が要で、プローピングが困難な箇所がわかっているの
であれば、どの方向から入れるかを記録しておきます。

臨床の中では難しいでしようが、研究レベルならプロービンクの
ためのステントを作成しますよね。
つまり、リスクのある場所をどのように測っていたかを、
違う人間が測っても同しところをもう一度測ることができる
再現性が重要だと思います。
上部構造を装着するときに測定しておかないと、挿
入部位、方向を決めるというのは難しいですよね。さらに装
着時は付着はないですから。
宗像先生がおっしやるように、補綴装置か装着され
たときに検査しておくことはいいことだと思います。またわ
れわれ自身が補綴装置を作成する際には、プローヒ・ングが困
難な状況は作るべきでないと思います。そういった状況は清
掃も困難であることが多いと考えられますからね。
挿入部位の話に付随して.挿入圧についても伺いた
いと思います。プラスチックプロー・プで傷つけないように
挿入圧は軽圧でと言われていますが、プロピジョナルで適正
なカントウアを作って、しつかりと成熟した上皮の中に上部
構造を装着して、はたして付着はあるのでしようか?軽圧
というのが、逆に再現性を低くしているのではないでしよう
たとえば天然歯は0、5Nのプローピングを提唱し
ていますが、015Nというのはかなり弱いカです。
しかし、難しい形態になればなるほどインプラント周囲粘
鞭縁下を探りたいので、それ以外の力が要です。そうする
と、たしかに偽陽性は多くなりますが、偽陽性よりも偽陰性
のほうが問題だと思います。(0.5Nの力で軽く突っ込むこと
で、カントウアを越えられなくて適当に測っているより、あ
る程度粘膜縁下を天然歯と同様の力加減で、きちんと測定す
るほうが臨床的に有用だと思います。当然、炎症があり、ド
パドバッと血が出ている状況と、血が点状に出てくるような
状態からは、偽陽性を判断できると思います。