歯周病患者へのインプラント治療の利点とリスク

アクアデンタルクリニック院長の高田です。
「 インプラント治療指針 」 を読んで勉強しています。


ガイドラインの中の大切な内容をまとめながら、ブログに残していきたいと思います。

☆歯周病患者へのインプラント治療の利点とリスク(感染)

歯周病患者においては.適切な歯周治療がなされても.残存骨量の低下により歯の支持負担能力が不足し機能圧に対応できない場合がある.特に歯の欠損を伴う場合には.残存歯は欠損補綴装置の維持歯として十分な機能が果たせない場合が多い.
このような場合に.顎骨に直接支持を求めるインプラント治療は.歯周病思者における機能回復という観点から大きな利点を有しており,顎骨に支持された強固な欠損補綴装置.支台歯や維持歯に対する補綴的な負担の軽減.咬合の安定.補綴処置に伴う天然歯削合の回避.咀嚼効率の向上および審美的な改善
などが得られる可能性がある.

また.残存歯に対しても.アタッチメントロスのある残存歯の保護.咬合関係の乱れたロ腔内に適正な咬合を付与できる.などの利点がある.無歯顎思者へ
のインプラント治療後の細菌叢を調べた結果.歯周病原細菌を検出する頻度は低かった。

しかし有歯顎患者でインプラント治療が失敗した症例のインプラント周囲細菌叢を調べた報告では.グラム陰性菌やスピロへータなどの細闊の比率が高いことが示されている。実際にインプラントを用いたロ腔機能回復隣在歯の歯周ポケットからインプラント周囲溝への細菌感染は短期間のうちに起こることが知られている.Quirynenら第がチェッカーポードDNA-DNAハイプリダイゼーション法や培養法を用いてアパットメント連結後のインプラント周囲溝の細菌の動態を調べたところ,2週間以内に数種の歯周病原細歯を含む多くの細菌種が確認された.

さらに.同一口腔内から採取した歯周炎・インプラント周囲炎の細菌晝を比較すると類似した細菌叢が認められたが.インプラント周囲炎の細菌叢の方がより複雑で多種の細菌叢を示した当20馬年のPaulaJulianaPérez-Chaparroら6のシステマティックレピューでは第をおよびインプラント周囲炎が関連するという工ビデンスを支持してインプラント周囲炎に関連があることを示唆している
これらの結果を勘案すれインプラント埋入手術を行う前にロ腔内から歯周病原細菌を可能なかぎり減らしておく必要がある.

また.歯周治療が適切になされていない歯周病患者への
インプラント治療は推奨されす.長期安定性についても十分議論がなされていないさらに一度歯周治療によって改善した細爾叢も.その後のプラークコントロールの状態によっては変化する可能性がある.そこで.臨床的パ歯周治療の既往はインプラントの生存率に影響を及:まさなかったが.歯周治療の既往を有する患者は.合併症の頻度が高く,成功率は低い傾向にあることが報告された.加えて.けるインプラント周囲炎の出現頻度を調べた調査では.系統的なSPTが行われていた場合は重度歯周病患者における10年間のインプラント周囲炎の治療が必要である。