歯周病 歯周形成手術とは

アクアデンタルクリニック院長の高田です。
日本歯周病学会から発表されている

「 歯周病の検査・診断・治療計画の指針 」 を読んで勉強しています。

ガイドラインの中の大切な内容をまとめながら、ブログに残していきたいと思います。

歯周形成手術

歯周形成手術は,審美性を回復させること以外にも,歯周病の進行を抑え,
特に歯肉,歯槽 粘膜の形態的安定をはかるために行われるものである.

1 )小帯切除術(小帯切断術)

異常に発達した小帯の切除術は,清掃性を高め,プラークコントロールを改善するとともに,
付着歯肉の幅を確保し,周囲歯周組織の安定をはかることを目的とする.また歯間離開や口唇の運動障害改善が期待できる.

2 )歯肉弁側方移動術

限局した歯肉退縮に対して,隣接する歯の角化歯肉を有茎弁として側方へ移動させ,露出根 面を被覆する術式である.
そのため,供給部に十分な角化歯肉の厚みと幅(1~2 歯程度)を必 要とする.
被覆部の骨欠損が著明な場合や歯根の露出面積が大きい場合,さらに口腔前庭が浅い場合は適応することができない.

3 )歯肉弁歯冠側移動術

歯肉退縮に対して,直下の歯肉を剥離して有茎弁を形成し,歯冠側へ移動することで,露出した歯根面を被覆する術式である.
1~2 歯の歯根露出で,付着歯肉幅が十分な場合に適応できる.

4 )歯肉弁根尖側移動術

5 )遊離歯肉移植術

遊離歯肉移植術は,確実な付着歯肉の獲得を目的として,歯根露出が認められ,
付着歯肉幅 が狭く口腔前庭が浅く,かつ清掃が困難な部位に行う.
歯肉弁側方移動術や歯冠側移動術と併 用する場合もある.供給側はおもに上顎口蓋側であり,
受容側の大きさに適した移植片を採得することができる反面,手術部位が 2 カ所になる.

6 )歯肉結合組織移植術

歯肉結合組織移植術は,確実な露出根面の被覆,口腔前庭拡張,顎堤増大による審美的改善 を目的とし,
広い範囲の歯肉退縮や多数歯にわたる歯根露出部位へ適応する.
受容側における 移植片は,骨膜側と上皮側の両面より血液供給を受けるため,遊離歯肉移植術より生着しやすい.
また,遊離歯肉移植術に比べて審美性がよい.