アクアデンタルクリニック院長の高田です。
流体移動法およびキャピラリーフローポロメトリー法による
3種の逆根管充填材の微小漏洩に対する長期的研究
根管治療の英語論文を読みました。
学んだ目的:
目的.
(1)逆根管充填材である旧MCaps(旧M)、FujiⅨCapsules(FujiⅨ)、P「0RootMTATooth-ColouredFormuIa(MTA)
の根端部根管封鎖性を、屍体から得られた歯を用いて比較すること。
(2)流体移動法とキャピラリーフローホロメトリー法(CFP)を比較することにより、漏洩試験の方法に対するさらなる検索を行うこと。方法:歯根端切除と超音波チップ(Suni-Max製S12/90。D-tip)によって逆根管形成した歯を採取するための前処置として、
その2週間前に、屍体33体の生体位において歯内療法が行われた。
2歯は陽性対照および陰性対照とした。
それ以外の歯は、無作為に3群に分類された後、3種の逆根管充填材のいすれかをそれぞれ充填した。
逆根管充填材は、充填後5分間水に曝された。根管充填材を根管内から除去した後、それぞれの歯は37℃で12時間保管された。
それらの漏洩量L(uL/日)は、流体移動法を用いて1.2気圧下にて24時間計測し、
そしてL=0、0<l$10、l>10のいずれかとして記録した。</l$10、l>
この測定は逆根管充填から1か月後と6か月後も繰り返し行われた。
6か月後においては、逆根管充填材を貫いて根尖へ開口している細孔数とその細孔の半径を計測するため
キャピラ丿ーフローホロメトリー法を用いての漏洩の評価も行われた。
実験糸士川一リコ果はノンパラメトリック法であるKruskaI-WaIIis検定およびMann-WhitneyU検定を用いて、
両検定法の結果の相関は
結果.
(1)流体移動法を用いた1か月におけスヒアマンの順位相関係数を用いて算出した。
有意水準は0.05とした。る評価では、FujiIXとIRMの間に統計学的有意差が認められた。
6か月において、流体移動法による評価では、FujiIXとそれ以外の材料との間には統計学的有意差が認められたが、
キャピラリーフローホロメトリー法による評価では有意差は認められなかった。
しかしながら、とちらの試験法を用いても、FujiⅨがもっとも良好な封鎖性を示していた
(2)2つの漏洩試験法を比較すると、キャヒラリーフローポロメトリー法では逆根管充填材を貫いて根尖に開口している細
孔をすべての歯において確認できたが、一方、流体移動法では31歯中14歯だけしか、根尖まで開口している細孔を確認
できなかった。
両者の漏洩試験法には正の相関関係が認められた。
結論:
本研究の実験条件下においては、
(1)グラスアイオノマーセメントFujiⅨは逆根管充填材として使用したときにもっとも良好な結果を示した。
(2)キャピラリーフローホロメトリー法は、歯内療法における材料を貫いて開口しているような細孔に対する漏洩評価に有効な試験法て
あると考えられた.