歯周病患者における口腔インプラント治療指針およびエビデンス

アクアデンタルクリニック院長の高田です。

日本歯周病学会から出されている「歯周病患者における口腔インプラント治療指針およびエビデンス」の本を
読んでいます。

今日学んだ内容

・軟組織に対するオプション

インプラント周囲の角化粘膜の獲得と インプラント周囲軟組織の形態改善を目的とし
周囲軟組織に対して外科処置を行うことがある。

インプラント周囲の角化粘膜の影響について検討した
システマティック・レビューによると
インプラント周囲に角化粘膜が存在する方が、プラークの付着が少なく
周囲粘膜の炎症や退縮が少なくアタッチメントロスが
小さくなることが示されている。

角化粘膜獲得の方法は 遊離歯肉移植術 結合組織移植術、歯肉弁根尖側移動術などが
用いられる。

角化粘膜の獲得時期は インプラント埋入前またはインプラント埋入時,
さらにインプラントを口腔内に露出させるための
二次手術時 のいずれかとなる

インプラント埋入前に行う症例は, 角化粘膜が完全もしくは著しく欠如している場合,
また, 埋入部位に小帯の高位付着や口腔前庭狭小が認められる場合が考えられる.

このような場合, FGG, CTGが選択することが多い.
二次手術時に行う軟組織の増大では, 移植組織のおよそ20一30%の収縮をあらかじめ予測する.

とくに, 審美的要求の高い前歯部の中間歯欠損に移植を行う場合,
両隣在歯の歯間乳頭の高きより2一3mm高くなるように移植する必要がある.

・プロビジョナルレストレーション

歯周病患者において欠損が存在する場合や抜歯を行う症例では,
歯周治療中の岬噌障害, 審美障害を改善し. 残存歯への時合力の負担軽減を目的として,
治療用の プロビジョナルレストレーションを装着する.

プロビジョナルレストレーションは, 装着期間中に
歯冠形態. 時合関係. 審美性, 単独、連結冠あるいは床装置とするかなどを確認し,
永続性の高い修復・補級物を良好な条件のもとで装着できる環境を整えることを目的とする

歯周病患者の欠損袖綴にインプラント治療を応用することによって,
残存歯の負担軽減, 固定性補綴物の選択. 咳合の安定性確保,
修復・袖組治療に伴う天然赤削合の回避, 中噌効率の向上や審美的改善が得やすい。

・軟組織増大の目的別術式

施術時期|
|インプラント周囲直交の形態改着|軟組織の増大術式と一般的な施術時期られる.
インプラント上部構造を製作する前段階として,
プロビジョナルレストレーショ ンにより咬合機能の早期回復や咬合関係の修正.
および審美性向上のための組織形態の誘導などを行う。

また, 清掃性の向上を目的とした口腔前庭の拡張と角化粘腹の形成, 審美性の改善を目的として軟組織増大を
行う場合もある.

そのため, 歯周病患者にインプラント治療を行う際の
プロビジョナルレス トレーションの役割はより重要である.

適切な咬合関係および咬位の確立

臼歯部においては主に咬合関係の確立が重要で,
対合歯との クリアランスおよび隣在歯との
関係を考慮し, プロビジョナルレストレーションにより
水平的, 垂直的な叶合関係の確立を図る

とくに, 顎位に偏位を生じている症例では, アバットメント装着段階において
プロビジョナルレストレーションを装着し,
安定した顎位を模索し, 決定しなければならない.
その後,咬合機能が十分回復したかを調べる。

・審美および発音障害の回復前

歯部においては, 審美および発音障害の回復が要求される.
審美的パラメータとしては 上ロ唇によるスマイルラインの高さ,
下口唇の リップライン  切端または咬頭頂を結ぶライン.
歯顎線, 歯肉歯槽粘膜移行部のライン. 咬合平面の傾斜 , 歯または顔面の対称性 ,
リップサポートがあげられる。

これらを考慮し , インプラント上部構造の形態と評価,
適切なエマージェンスプロファイルと関連する軟組織形態の誘導と改善.
歯およびインプラント間の乳頭の形成スマイルライン (正中 ・切縁)の指標,
歯冠径の検討が重要となる.

・インプラント周囲組織の口腔清掃の確立

プラークコン トロールが不良であると, 天然歯周囲にみられる歯肉炎や歯周炎に類似した
インプラント周囲粘膜秋やインプラント周凍炎が生じる.

したがって, インプラントを 長期にわたり正常に機能きせるためには,
インプラント周囲のプブ ラークコントロールが重要である。

などを学びました。

臨床にいかします。