フッ化物配合洗口剤の使用

アクアデンタルクリニック院長の高田です。
日本歯科保存学会から出されている
「う蝕治療ガイドライン」を読んでいます。

 

フッ化物配合洗口剤の使用に代表されるホームケアの効果は 患者のコンプライアンスに依存しているうえ、高齢者の唾液分泌量やブラッシングスキルの個人差は非常に大きく 根面う蝕の進行に関与するリスクファクターは複雑である。また現在わが国で入手できるフッ化物配合歯磨剤中のフッ化靴濃度は最高でも950ppm程度であることから、今回エビデンスとして採用した論文のような成果が得られにくい場合もあるのかもしれない。初期根面う蝕に対する非侵襲的な治療法をより成功率の高い確実なものとして定着させるためには わが国においても 明確なエビデンスが確認されている高濃度のフッ化物製剤を日常的に使用できるよう、薬事法や健康保険制度の整備がなされていることが望まれる。

歯質を削除して修復する治療と比較した場合、非侵襲的な治療は コスト面や精神的な負担も少なく、また治療環境の制約をあまり受けることなく実施できる点でその意義は大きい。また う蝕リスクに応じて定期的なフォローアップを行い、再石灰化が成功せずに う蝕が進行した場合には速やかに腫福処置に移行するプログラムを実践していれば重大な状況にいたってしまうことも少ない。よって 欠損の浅い初期活動性根面う蝕の場合、う蝕リスクの軽減をはかりつつ、まずフッ化物を用いた非侵襲的治療を実行して再石灰化を試み、う蝕を管理するよう推奨される。

水道水フッ化物地域在住の高齢者における48ヶ月間のう蝕プログラムの根面う蝕に対する押下をお。

60歳以上で15本以上の残存歯を有する高齢者466人。濃く変色し探針を用いた中等度圧でのプロービングによりターキーまたはleathery の感触を有するものが対象

148人に0,05%フッ化ナトリウム配合洗口剤による毎日の洗口を行ったところ、フッ化ジェル塗布群と比較して優位に非活動性に変化した病変の数が多かった。05%フッ化ナトリウム配合洗口剤による毎日の洗口は活動性根面う蝕を非活動性にするうえで有効である。