上顎前突を含む咬合異常は社会心理学的に影響を与えるか?

アクアデンタルクリニック院長の高田です。
日本矯正歯科学会から出ている
「 矯正歯科診療のガイドライン」 を読んで勉強しています。
ガイドラインの中の大切な内容をまとめながら、ブログに残していきたいと思います。

 

上顎前突を含む咬合異常は社会心理学的に影響を与えるか?

上顎前突を含む咬合異常は社会心理学的に影響を与える可能性が高い。

不正咬合の程度は身体的領域,心理的領域,社会的領域へ影響を与えるとの高いエビデンスの論文が存在す る(文献 3、エビデンスのレベル I)。改善された容貌、口腔機能、健康、社会的幸福に対する自覚的、他覚的 証拠があるにも係わらず、不正咬合と矯正治療は、思春期の一般的な QOL(quality of life)と口腔の健康に関 わる QOL に影響しない(文献 1、エビデンスのレベル IVb)、とする報告も存在するものの、矯正歯科治療を 求めている患者は容貌と社会的外見を気にしている(文献 4、エビデンスのレベル VI)、不正咬合とその治療
は心理学的には自分のイメージに影響を与える、社会的には他人からみた好感度、社会的な容認、聡明さに影 響を与える(文献 5、エビデンスのレベル VI)、不正咬合を含む歯科疾患の結果、私たちの社会において身体 的、社会的、経済的影響を及ぼす(文献 6、エビデンスのレベル VI)といったその影響・関与の存在を認める 報告が多く認められる。