矯正歯科診療のガイドライン

アクアデンタルクリニック院長の高田です。
日本矯正歯科学会から出ている
「 矯正歯科診療のガイドライン」 を読んで勉強しています。
ガイドラインの中の大切な内容をまとめながら、ブログに残していきたいと思います。

 

上顎前突は正常との明確な境界線を設けることができるようなものではありません。上顎前突は多様な臨床 像を呈します。オーバージェットの大きい上顎前突症例(II 級 1 類)と大きくない上顎前突症例(II 級 2 類)
とでは病態、治療法が異なる可能性があります。本ガイドラインにおいてはオーバージェットの大きい上顎前 突症例(II 級 1 類)を対象とし、2 類は含めないものとしました。また、本ガイドラインにおいて唇顎口蓋裂 など先天異常による咬合異常は対象から除外しました。

 

個々の症例で大きく異なる多様な咬合を「上顎前突」としてひとくくりにした時にどこまでエビデンスを求めることができるのであろうか、という疑問も委員会で討議されました。病態も異なるであろうことから今後、
継続的にガイドラインを改定する必要があることを認めながらも、やはり個々の病態を十分に精査する必要があることには変わりありません。

このガイドラインは個々の検査、診断をおろそかにするものではなく、むし ろ検査、診断の必要性をより説くものであると考えています。

 

「上顎前突の矯正歯科診療」に関して医療現場で必要とされるであろうクリニカル・クエスチョンを本ガイドライン作成ワーキンググループ構成員が抽出し、

これらのクリニカル・クエスチョンに対して、現時点で推奨される考え方を記載しています。一方、取り上げたクリニカル・クエスチョンに対してその多くのもので、
十分な根拠が存在しないこともその過程で明らかになってきました。検討するための文献の学術的担保が不十分である、あるいは、クリニカル・クエスチョン自体の十分な定義がなされていないが故に削除すべきものが ありました。II 期治療に対する I 期治療の意義に関するもの、歯列弓拡大に関するもの、II 期治療における抜歯治療に関するもの、ハイアングルケースの治療に関するもの、オーバーコレクションに関するもの、二態咬合に関するもの、顎間ゴム、アデノイド切除が顎発育に及ぼす影響に関するもの、です。将来、本ガイドライ ンを改定する中でこれらのクリニカル・クエスチョンについても検討する必要があると考えています。
岡山市北区今保 田中 白石 北長瀬 西バイパス近く