アクアデンタルクリニック院長の高田です。
日本歯科補綴学会から出ている
「 リラインとリベースのガイドライン」 を読んで勉強しています。
ガイドラインの中の大切な内容をまとめながら、ブログに残していきたいと思います。
材質による種類と特徴
リラインおよびリベースに使用する材料には,硬質と軟質の2種類がある.硬質材料はアクリル系で あり,軟質材料はアクリル系,シリコーン系,ポリオレフィン系などである.同系の材料でも組成や物 理的・機械的性質が異なる 6,7)ため,これらの材料の特徴と特性を熟知し,症例に応じて選択すること が重要である.
硬質材料と軟質材料の選択基準は?
一般には硬質材料を用い,緩圧が必要な場合に軟質材料を用いる.
軟質材料の中で,アクリル系のそれは粘弾性的な性質を,シリコーン系とポリオレフィン系のそれは 弾性的な性質を有する.なお,シリコーン系は経時的な物性の変化が小さく,高い耐久性を示す.一方, アクリル系は経時的に粘弾性が変化し,徐々にその緩圧効果が失われる 傾向がある.
材料の重合型による種類と特徴
リラインとリベースに用いられる材料の重合型には,常温重合型,光重合型,加熱重合型などがあり, 直接法では常温重合型と光重合型が,間接法では加熱重合型,常温重合型,光重合型がそれぞれ用いら れる. 常温重合型は,液(モノマー)と粉(ポリマー)を混和することにより重合反応が進行し,硬化する ため,顎堤や支台歯(鉤歯)のアンダーカットに入り込んで硬化した場合には取り出せなくなることが ある.部分床義歯症例などでは,硬化前に取り出すなどの注意が必要である. 光重合型は,光照射により重合,硬化するため,数度の着脱を行い,余剰部分を除去できる.また, 顎堤粘膜を刺激することが少ない 12)ので,粘膜が過敏な症例でも用いることができる. 加熱重合型は,義歯をフラスクに埋没し,義歯床用材料を填入,加熱重合する方法である.他の方法 よりも耐久性がある 13)が,操作が煩雑で時間がかかるという欠点があり,通常の重合時の誤差も含ま れるため,臨床では,主に常温重合型と光重合型が用いられる.