歯周病罹患歯の抜歯基準とインプラント治療

アクアデンタルクリニック院長の高田です。


「 インプラント治療指針 」 を読んで勉強しています。
ガイドラインの中の大切な内容をまとめながら、ブログに残していきたいと思います。

 

☆歯周病罹患歯の抜歯基準とインプラント治療☆


抜歯を決定するための基準は一律でなく.抜歯を考慮する歯にかかわる直接的および間接的要因が大きな影響を及ばす.患者の抜歯に対する理解度には個体差があり,多くの患者は.できるかぎり歯を保存したいという願望をもっている.

しかし.抜歯に対する理解度は,歯科医療スタッフによる思者教育や患者との信頼関係などによって大きく変化する冊歯周病罹患歯を積極的に抜去しインプラント治療を行った場合.保存的治療法を行った場合と比較し咀嚼機能の回復や残存歯の延命が明らかに改善されるのか.またインプラント治療以外の補綴処置では歯の延命効果は得られにくいのか.といった点を明確にした研究はまたないさらに
歯周病患者へのインプラント治療には.歯周病罹患歯からの細菌感染の波及.インプラント周囲組織の感染に対する抵抗力低下の可能性.凵腔内全体のプラークコントロール悪化の可能性.インプラントへの負担過重,クラウン一インプラント・レシオの悪化などのリスクが伴う.以上の観点から.インプラント治療は現在では高い予知性があるといってよいが.抜歯か否かの境界にある患歯については.慎重に評価しなければならない.

抜歯に対する科学的根拠および厳密な基準を明確にすることは困難であり.歯周病思者と歯科医療従事者の十分なインフォームドコンセントにより抜歯の適否を判断しているのが現状である.
したがって.抜歯の必要性のある歯周病患者に対して版療面接を行う際には.ます患者の社会的背景や治療に対する意向を調査する.次に.治療計画を立案する段階で患者教育が必要となる.

つまり.保存や機能回復が困難な歯に対して何も処置を施さない,あるいは望みのない罹患歯をできるたけ保つことは.歯周医学の観点から勧められないことを説明する義務が歯科医師にはある.

歯周病罹思歯の抜歯の判断基準に関して,歯周治療の初期段階に抜歯すべきれ
あるいは歯周治療の後期まで抜歯を延期し暫間的に保存するかの判断基準を表に示す.
表の条件に当てはまる場合には.抜歯の必要性を患者に十分理解させ,可及的速やかに抜歯を行う.

また.表に示した条件に一つでも当てはまる場合には.暫間的に保存し歯周治
療の経過をみながら抜歯を延期することを考慮する.