アクアデンタルクリニック院長の高田です。
根管充填材に沿って生じる流体輸送と細菌通過性
根管治療の英語論文を読みました。
学んだ内容
根管充填した根管の歯冠側から根尖までの水の対流搬送は、120kPa(1.2気圧)のヘッドスへース圧を用いて実験的歯根片の根尖につないたガラス毛細管内の気泡の移動から測定した。
根管充填した根管内に生じた死腔を通過した水の移動は、前述の方法で再現性ある測定が可能であるとわかった。
60歯のヒト上顎犬歯歯根を、側方加圧充填法でカッタノヾーチャとシーラーを用いて根管充填した。
このうち30歯に、ます、歯根の歯冠側のレセルホア(病原巣)において増殖させた小運動性細菌の緑膿菌を暴露した。
50日後、2つの試料で根尖側レセルホアへの細菌通過を認めた。
そして、すべての根管は、水の対流搬送の定量評価に供された。評価結果は、
以下の”細菌漏洩性がない”(39根管)、”わすかな細菌漏洩”(14根管)、およひ”著しい細菌漏洩”(7根管)という3つの明確なカテゴリーに分類された。
根尖側レセルホアへの細菌通過が認められた2つの試料は、1つは”わずかな細菌漏洩”、そして、もう1つは”著しい細菌漏洩”のカテゴリーに分類された。
既往の細菌通過試験では、実験後の計測におけるこれら歯根の液体流動/ヾターンに統計学的な影響を認めなかった。
これらの所見は、根管充填された根管における流体移動においては、その根管のほとんどで細菌通過を認めないことを示している。