咀嚼・嚥下における舌のはたらき

アクアデンタルクリニック院長の高田です。
今日は 日本老年歯科医学会から発表されている

「舌機能検査法ガイドライン」 を勉強しています。

ガイドラインの中の大切な内容をまとめながら、ブログに残していきたいと思います。

咀嚼・嚥下における舌のはたらき

舌は、下顎の中央部にあって、その高い可動性により、
咀嚼・嚥下において最も重要なはたらきを担う器官である。

舌の可動性は、舌自体の形態を変える内舌筋と舌の位置を変える
外舌筋によって成り立っており、これらの筋群は舌下神経の支配を受けている。

固形物を咀嚼する際、舌はまず前歯で咬断した食片を臼歯部に搬送し、
歯列咬合面に載せる。

咀嚼が開始されると、開口~閉口~咬合の咀嚼周期ごとに、
舌は舌背中央部に樋状の凹面を作って食片を包み込み(準備相)、
一側の歯列咬合面に移動させ(ねじれ相)、
ねじれた状態で舌背を歯列舌側面に押し付けることによって咬断・粉砕された
食片が口腔底に落下するのを防ぐ(保持相)など、
巧妙で多彩な動きを、口唇、頬、下顎と協調しながら行う。

この一連の過程で十分に細分化され唾液と混和された食片は、舌と口蓋との間に凝集して
食塊を形成し、さらにその一部は舌の前後運動と口蓋への押し付けによって生じる圧によって口峡を越えて中咽頭へ送り込まれ嚥下反射を待つ。

反射により制御される咽頭期嚥下に際しては、舌は適量の食塊を陥凹した舌背と口蓋との間に包み込み、舌尖の強い押し付けと後方への動きで食塊を咽頭方向へ送り込み、
さらに食塊が逆流することなくスムーズに咽頭を通過して食道に送り込まれるように、
口蓋との接触を維持しつつ咽頭後壁の隆起と協調した舌根部の後方移動により中咽頭腔を狭窄させる。

食物の経口摂取において営まれる咀嚼から嚥下に至るこれらの舌の動きは、随意的・反射的に制御させる。

咀嚼・嚥下における舌の検査法

超音波画像診断装置を用いた舌運動の評価方法

超音波画像診断装置を用いた舌運動の評価は、
安定した画像の描出が重要である。
そのためには、対象者のオトガイ部から頭部両側へバネ状の連結部を設置し、

嚥下時の下顎の動きに合わせて超音波の探触子が皮膚接触面から離れないように

安定した設置台付き探触子固定装置を用いる方法が望ましい。

最大舌圧測定法
ディスポーザブルのバルーン状口腔内用プローブを口蓋前方部と舌で随意的に最大の力で押しつぶさせ、プローブ内部の圧力変化を最大舌圧として測定する。

国内で漸く医療器具として承認された機器(JMS 舌圧測定器)があり、
他の舌機能評価法と比較して装置全体の重量、検査の安全性・簡便性、
感染対策に優れており、大規模疫学的な調査、研究にも使用される一方、
医療・介護施設における症例の口腔機能の客観的評価、治療介入の客観的評価に資する研究も行われている。

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