歯周病患者における口腔インプラント治療指針およびエビデンス

アクアデンタルクリニック院長の高田です。

日本歯周病学会から出されている「歯周病患者における口腔インプラント治療指針およびエビデンス」の本を
読んでいます。

今日学んだ内容

・インプラント埋入時期の選択

抜歯からインプラント埋入までの期間は 抜歯窩の治癒や周囲軟・硬組織の変化に応じて4つに分類される。
歯周病患者では歯周病の原因が除去されたことを再評価で確認後、インプラント治療を行うことが原則。

とくに、抜歯窩が大きく、上顎洞や下顎管などの解剖学的制約を有する上下顎大臼歯では低リスクかつ初期固定を
得やすい抜歯後12~16週以降の埋入を選択することが多い。

・即時荷重の選択

咬合力の荷重時期は、即時荷重、早期荷重、通常荷重の3つに分類される。
通常荷重とは確実なオッセオインテグレーションを得るための免荷期間(埋入後2か月以上)を経てから
行う荷重を行う方法である。

治療法は1回法と2回法に区別される。1回法では埋入手術後 治癒を確認して上部構造政策に移行するのに
対し、2回法では1次手術としてインプラント体の埋入、2次手術としてアバットメントの連結を行う。

歯周病患者では、埋入後初期感染の危険性が低い方法の選択が勧められるため、2回法で通常荷重を選択することが多い
咬合力などの負担を避け 確実なオッセオインテグレーションを得た後、プロビジョナルレストレーションを用いて咬合力に対する
歯周組織を維持できると判断した時点で上部構造を装着する。

・骨に対するオプション

歯周病患者に対するインプラント治療では 歯周病の進行または歯の喪失原因や喪失後の期間などにより
インプラント埋入が困難な顎堤吸収が認められることがある。骨量不足を解決し、インプラントを補綴学的に適正な位置に埋入することで機能的および、審美的な成功を獲得するために 骨に対するオプションを治療計画に含めることも多い。

骨に対する外科処置を行う際、骨移植材や遮断膜を用いることが多い。

・顎骨に対する骨造成

顎堤の造成を目的とした処置では これらの方法を単独または いくつかを組み合わせて選択する。
骨造成を行う時期はインプラント埋入前 またはインプラント埋入時のいずれかとなる。

歯周病患者に骨造成を行う場合、歯周病の原因因子が除去され 炎症が消退したことを確認後に行う。
水平的ならびに垂直的骨造成ではブロック骨 粉砕自家骨、骨移植材を用いる術式が採用されることが多い。

・GBR法

GBR膜を無歯顎提部の骨欠損部に応用し 骨再生を目的とした方法、骨欠損部に対して上皮組織および結合組織の
侵入を防ぎ 骨組織のみの誘導を促すためのスペースメイキングを施す。
新生骨の形成には3~6か月を必要とする。

・ブロック骨移植術

ブロック状自家骨もしくは骨移植材をスクリュー固定し 骨造成を行う方法
自家骨はオトガイまたは下顎枝から採取する。
水平的ならびに垂直的骨造成が可能である。

・顎提拡大術
オステオトームやチゼルなどを用いて顎堤を分割し
側方(頬舌的)に増大させる方法。水平的造成が可能である。

・抜歯後の顎提保存

抜歯時に骨移植材やコラーゲンスポンジなどを用いて、抜歯窩の歯槽骨吸収を防ぎ 抜歯後の顎堤吸収を防ぐ治療法がある。
吸収性ならびに非吸収性メンブレンをへいようすることもある。

などなどを学びました。