アクアデンタルクリニック院長の高田です。
日本歯周病学会から出されている「歯周病患者における口腔インプラント治療指針およびエビデンス」の本を
読んでいます。
今日学んだ内容
・歯周病リスクファクターのインプラント治療への影響
インプラント治療においても歯周治療と同様に全身疾患、
喫煙などのリスクファクターが存在し
インプラント埋入手術、インプラント周囲組織との適合、
メインテナンス中の感染などに影響する。
・全身疾患のリスクファクター
①糖尿病
1型および2型糖尿病においても抹消血管循環障害や免疫系機能障害により
術後の創傷治癒の遅延やインプラント周囲炎が発症するリスクが高い。
通常HbA1c 6.9%以下 空腹時血糖値:140mg/dl以下、
食後血糖値:200mg/dl以下
ケトン体(-)程度にコントロールされた状態で
インプラント体埋入手術が推奨されている。
②心疾患
心筋梗塞、狭心症、不整脈、高血圧など心疾患のある患者では
それそれの疾患の状態や服薬に関する情報を
把握し 患者、主治医を含めた第三者で情報を共有することが重要である。
③骨粗鬆症
骨粗鬆症患者の顎骨においては骨密度の低下が認められるため
注意が必要である。
ビスフォスフォネート系製剤を使用している患者さんに
顎骨に及ぶ外科処置や抜歯の後に顎骨壊死が生じる
ことが報告されている。
④精神疾患
神経症、統合失調症、うつ病などの精神疾患を有し
十分な医療面接ができない患者や術後の
メインテナンスに十分な理解ができない場合は
インプラント治療は慎重に行うべきである。
⑤関節リュウマチ
ステロイド薬が長期投与されている関節リュウマチ患者では
副腎機能が抑制されているため手術などの
ストレスによりショックを引き起こす危険性があるので
注意が必要である。
またステロイド薬により免疫能が低下しているため
インプラント体埋入手術後やメインテナンス中の
感染の危険性が高くなる。
⑥絶対的禁忌症
重度心臓病、先天性血液凝固因子欠乏症(血友病)、腎透析患者、
末期の悪性腫瘍患者、顎骨に放射線治療を受けた患者
チタンアレルギーを有する患者さん。
などを学びました。
臨床に生かしたいと思います。