う蝕の進行程度を診断する方法

アクアデンタルクリニック院長の高田です。
日本歯科保存学会から出されている
「う蝕治療ガイドライン」を読んでいます。

 

前歯部の隣接面う蝕は無影灯の光を透過させて舌側からミラーで観察する透過診によって う蝕部は暗い影として深部への広がりまで知ることができる。

しかし 臼歯部では辺縁隆線の白濁あるいは黒変の微妙な変化を鋭い目で観察することになる。それを補助するために先端外径0,5㎜の光ファイバーによるFOTIが使われている。

う窩と口腔粘膜との間のインビーダンスを計測し、う蝕の進行程度を診断する方法は わが国で考案されたものである。電気抵抗による診断は咬翼法エックス線写真と比較してより正確であるとされている。しかし 残念ながら日本製の診断装置は製造中止され、現在は海外製品の入手も困難であるため推奨することができない。

レーザーを用いた う蝕診断装置の動作原理はレーザー光を照射したときに発する発光のスペクトルが健康歯質と う蝕罹患歯質では異なることを応用7している。この差を検知器で検知してディスプレイに00から99までの数値として客観的に表示される。

エナメル質う蝕の検出は象牙質う蝕よりも感度は低く 特異度が高い。

したがって、基本的な診断装置としての有用性には限界があるとされている。我が国においては本装置がそれほど広く普及していないことから今後、この種の補助的診断法が広く使われるようになることが期待される。

 

う蝕の検査法は有効性と信頼性に優れていなければならない。有効な検査法とは う蝕の状態をっ正確に表示することであり、信頼性のある検査とは検査を繰り返し行っても同じ結果が得られる、すなわち再現性が高いことを意味する。再現性とは同一診査者が繰り返し行う場合と異なる診断者が行う場合に分けられる。いずれにしても再現性を高めるには事前の訓練が必要である。